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きみがMIRACLE

心優しいけれどさえない子が、ファッションを変えて(多くの場合はツンデレヒーローの強引な指南で)、見違えるほどすてきになるっていうシーン、少女マンガのヒロインではいっぱい見てきた。

だけど、『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』では、主人公の青年、光くんがビームスFの仕立てのよさそうなスーツ着て、「ねえ、おかしくないかな?」って言いながら、ちょっとおどおどした目をして試着室から出てくるのだった。ここでやられた!なんなの、このヒロイン属性……!

光くんは、やさしいんだけど優柔不断で、ちょっと引っ込み思案で、幼馴染の杏奈ちゃんがなにかと先回りして、彼が困らないようにいろいろやってきたんだろうなってのが全編に滲み出ている。漫画を描くのが好きだけど、たぶんそんなにどっかんどっかんウケたいっていう気はない*1。いや、イラストポエムのデビクロ通信を*2つくり続けてきたぐらいだから、「届いたらいいな」とは思ってるんだろうけど、ビンに入れて海に流す手紙みたいな意識じゃないかと。

この、自意識のこじれていない文系男子を相葉さんがとても素敵に演じていたのだ。じれったくてちょっとダメな男の子なんだけど、おかしくてちょっと悲しい、というような。『ノッティングヒルの恋人』のヒュー・グラントがやってたみたいな、そういう感じの役、向いてるんじゃないかな相葉さん。あとね、彼は年をとったら小日向文世みたいな役者になるかもよって思った。

去年のクリスマス、この映画の製作発表があった直後、犬童一心監督は『黄色い涙』を撮ったときに相葉くんで映画をとりたいなと思ったとツイートされていて、すごくうれしかったのだけど、こういうのって人気者を主演にするときのお約束みたいなところあるじゃないですか。私は犬童監督のファンだし『黄色い涙』も大好きだから、そんな言葉が聞けたことに喜びつつも、でも根っから真に受けちゃいけないよね、なんて思ってたんです。

だけど、『MIRACLE』を見たら、リップサービスではなかったんじゃない?って。この役者でこういうふうに撮りたい、っていうインスピレーションを相葉さんにかきたてられて、よくよくプランが練られているように見えたから。監督の意欲と自信が球になって放り投げられて、観客はばしっとキャッチしましたよ、っていう気持ちのいいやりとりができたって感じがある。

『日本映画navi』(vol.54)の犬童監督のインタビューも大変興味深い。引用します。

「相葉くんって代わりがいないでしょう。嵐の中でも他の俳優とも競合していない。こういう役者さん、他にいないから、もっと映画に出てほしいなって思いますね。彼の人のよさを生かして、さらに何かを付け加えたら、面白い映画が出来そうな気がするんです。アメリカの俳優でいうとジェームズ・スチュワートみたいな感じ。本当に不器用で、うまくいかないことをどんどん引き寄せちゃうんだけど、周りの助けを借りながら、懸命に突破していく。ああいう映画、日本であまりないじゃないですか。相葉くんなら、もっと年齢を重ねても、できると思いますね」

願わくば、犬童監督がやりたいように*3、好き放題に、相葉さん主演でもう一本つくる機会がありますように。

あなたがいればいつだってミラクルが起きます。テレビのなかでも、コンサートのステージでも、そして私の心の中にも。ずっとずっと大好きです。ミラクルボーイの生誕をいつだって祝っています。生まれてきてくれてありがとう、ってお花畑だから言っちゃう。

まぬけなほど遅れてしまったけど、なんとか年内に書けてよかった(笑)

*1:イチロー先生が紹介しようとしたのは少年サンデーか。そっちじゃなくてコミックビームならいいかもよと提案させてほしい

*2:みつをだとか326だとか言わないよ!言わないってば!

*3:えっとね、大人の事情を随所でいっぱい感じた!実は!メディアミックスってやつだからしょうがないね。今、嵐が動くとなるとこうなっちゃうのかなっていう切なさもある